―精霊の祖の恋物語― 後編





「…黙ってろ。1人倒れたんだぞ?

 何、悲鳴なんかあげてんだよ。


 悲鳴あげてないで

 退くぐらい出来ないのか?

 考えたら、普通に分かることだろ?」

低い声でリヒトがそう言うと、

競技場がシーンと静まった。


そして、競技場に出入り口まで道ができる。

みんなが退いてくれたようだ。


リヒトはニッコリと笑みをつくると、

「ありがとう。」と言い、出入り口まで

進んで行き、競技場を出て行った。