「…黙ってろ。1人倒れたんだぞ? 何、悲鳴なんかあげてんだよ。 悲鳴あげてないで 退くぐらい出来ないのか? 考えたら、普通に分かることだろ?」 低い声でリヒトがそう言うと、 競技場がシーンと静まった。 そして、競技場に出入り口まで道ができる。 みんなが退いてくれたようだ。 リヒトはニッコリと笑みをつくると、 「ありがとう。」と言い、出入り口まで 進んで行き、競技場を出て行った。