―精霊の祖の恋物語― 後編





そんなリリーを見ていられなくなった、

リヒトは…「もう…喋るなッ…。」と

辛そうに言うと…


苦しそうにしているリリーに

何もしてやることができない自分が

悔しくて、歯を食いしばる。


リリーはゆっくりと首を振ると…話を続けた。

「…いえッ。…もう一つ、話したいことが…。

 さっきは大丈夫だと…言いましたが…

 ちょっと先程…自身を乗っ取られそうに…

 なりましたッ。私に…こんなことが…

 できるとしたら…ッ。」

リリーは、険しそうな顔をしだした。


「リリーッ。」

リヒトがリリーの名前を大きな声で呼ぶ。


すると、リリーは

リヒトの顔を微笑んで見ると…

「ちょっと、限界です…

 寝させていただきますね……。」

そう言い、目を閉じて、

スウスウと寝始める。