―精霊の祖の恋物語― 後編





その後、何回かリリーの名前を

リヒトが呼ぶと…

「…__リリー?」


ハッとした顔でリヒトを見た。


「リリー?どうしたんだ?」

「いえッ……何でもありません…。」

首を振って、何故か少し震えながら、

リリーは言った。


「何もなかったって感じじゃないだろ?」


「本当に…大丈夫です。」

リリーがそうリヒトの言葉に

返事をしているときだった―――。