担任教師がそう言うと、生徒たち数名が
立候補してくる。
いつもだったら、もう少し多いんだが……。
まあ、今日はアーテルもいるし、
緊張するか…。と、
呑気に他人の事を考えていたが…今。
自分の置かれている立場を思い出す。
そう言えば、結局…
戦闘戦をやる羽目になり、
相手は…まさかのリリーとなっている。
リリーが何故そうしたのか、
リヒトは分からなかった。
リリーに声を掛ける。
「リリー。戦闘戦のことってマジなのか?」
リヒトが声を掛けた相手。
リリーはコクンと頷いてこう言った。
「はい。私はそのつもりです。」
「でもどうするんだ?」
リヒトの言葉に首を傾けてリリーは聞いた。
「なんのことですか?」
「何の事って、俺のことだよ。
リリー…疲れてるんじゃないのか?」
リヒトが心配そうに言うが、
リリーは今度は黙ったまま、何も喋らない。
「……。」

