―精霊の祖の恋物語― 後編





担任教師がそう言うと、生徒たち数名が

立候補してくる。

いつもだったら、もう少し多いんだが……。


まあ、今日はアーテルもいるし、

緊張するか…。と、

呑気に他人の事を考えていたが…今。

自分の置かれている立場を思い出す。


そう言えば、結局…

戦闘戦をやる羽目になり、

相手は…まさかのリリーとなっている。


リリーが何故そうしたのか、

リヒトは分からなかった。


リリーに声を掛ける。

「リリー。戦闘戦のことってマジなのか?」


リヒトが声を掛けた相手。

リリーはコクンと頷いてこう言った。

「はい。私はそのつもりです。」


「でもどうするんだ?」

リヒトの言葉に首を傾けてリリーは聞いた。

「なんのことですか?」


「何の事って、俺のことだよ。

 リリー…疲れてるんじゃないのか?」

リヒトが心配そうに言うが、

リリーは今度は黙ったまま、何も喋らない。

「……。」