「まだ怒ってる?リヒト君。」

苦笑いを浮かべて言うアーテル。


リヒトはアーテルの方を振り返り、

不機嫌そうに言う。

「当たり前だ。」


「やっぱり?まあ、私は見させてもらうよ。

 頑張ってね。リヒト君。」

手を振りながら、

アーテルは観覧席へと向かっていく。


「煩い。アーテル。」

リヒトは、そう迷惑そうにつぶやいた。



能力の授業は、午後の授業の時間。

約2時間なため、かなり長い。


こうして…能力の授業が始まったのは、

ドゥンケル氏が来たことにより、

少し時間が過ぎてからの事だった。