リヒトが静かになったため、アーテルは
ニッコリと笑みを浮かべて言った。
「俺は見ていない。ただ、能力を
見させてもらうだけなんだよ。」
「はぁ」とため息をつき、
面倒そうな顔をしてリヒトは言った。
「じゃあ、内容だけ聞く。」
「内容だけ聞く…ね…。」
リヒトの言葉に苦笑いするアーテル。
「ちょっと、能力者について調べるのを
専門として、研究している科学者を
招こうと思ってね。いいかい?」
アーテルの話の内容に、
リヒトは顔を歪める。
「それは…リリーが目的なのか?」
リヒトがリリーの方に目を向けると、
リリーは手を震わせていた。
「いや、今回はリヒト君の方に
興味があって来ているようだよ。」
「……そうか。」

