目の前から去ろうとするリヒトを

アーテルは腕を掴んで止めた。


「ちょっと、待ったぁッ!!

 待ってくれ。リヒト君ッ。今回は、

 始末とかの任務とかじゃないから…。」


「いや、今回はそういう問題じゃなくて、

 以前の事についての仕返しと言いますか…

 その分、任務の放棄という感じなので、

 関係ないです。では…。」


アーテルの手を離してまた立ち去ろうとする

リヒトをまた止めるアーテル。


「今回はちょっと、

 プライベート的な感じだから、

 任務という訳じゃないんだよ。

 単純に君の能力を見に来たんだよ。」


「前に、見ましたよね?」


「いや、水属性は見ていない。」


“確かに…水属性の能力は見てない…。”