リヒトは「ハァ」と息を吐くと、
話し始める。
「アーテル。精霊を始末した日。
父さんたちを見送る時…
俺を仕事に借りるから遅くなるとか、
朝まで掛かるかもしれないとか。
言ってなかったのか?」
「あー。少し借りるとは言ったかな。
なんかまずいこと…あった?」
〝やっぱり…〟という顔をして、
リヒトは深く溜息をつく。
「その言葉足らずのせいで、
俺は怒られっぱなしだったぞッ!?
長時間、説教だったんだよッ!?」
「あー。なるほど。」
アーテルはうんうんと頷きながら言った。
かなり機嫌悪そうな顔をして言う。
「なるほどじゃねーよッ。姉貴には、
寝てるところを叩き起こさせて、
正座で長時間の間、説教だし…
足が痺れたんだがッ!?」

