―精霊の祖の恋物語― 後編





アーテルの問いかけに、

リヒトはガン無視で聞いて来る。

再度、同じ質問を。

「ドゥンケル氏は何故…此処に?」

先程から変わらない、黒笑で…。


リヒトから、黒い怒りのオーラが

出ている。


「怒っているみたいだね…。」

ハハハと愛想笑いをするアーテル。


「それは、分かったんだな…。」


「いや、オーラで分かるよ。

 恐ろしいほどにね…。それで…

 私はリヒトに何かしたかな…?」


そう言うとリヒトは、

更に纏うオーラを濃くする。

「覚えがないのか…?」

ギロッと睨んで言った。


リヒトの様子にアーテルは焦る。

考えても、出ないため…。

“遠慮深く”聞いてみることにした。

「えーと。分からないから、

 私に教えてもらえると嬉しいな?」