―精霊の祖の恋物語― 後編





リヒトが完全無視をしている間も、

リヒトの名前を呼んでいるアーテル。


遂にアーテルは、リヒト達の前に来た。


「リヒト君。久しぶり。数日ぶりだね。

 ッて…どうしたのかな。なんか様子が…。」


リヒトは、機嫌悪そうにアーテルの方を見る。


アーテルは冷や汗を流す。

“リヒト君。怒ってないかッ!?”


「お久しぶりです。ドゥンケル代表。

 何故此処に?」

黒い笑みを浮かべているリヒトに、

アーテルは〝まずい〟と思う。


アーテルは、何故リヒトが自分に対して

怒っているのか、さっぱり分からない。


「リヒト君。怒ってるよね…?」