「おーい!リヒトくーんッ!!」
いきなり大きな叫び声が聞こえる。
その声を聞いたリヒトはと言うと…
物凄く不機嫌そうな顔をした。
そんな中でも…
まだリヒトを呼ぶ声が、競技場に響く。
「おーいッ!!リヒトくーん!!」
その声のせいで、
リヒトに向く視線が多くなる。
リリーが遠慮深く、リヒトに声を掛けた。
「あの…呼んでますよ…?
アーテルさん…。」
そう…そのさっきからリヒトの名前を
大声量で呼んでいる人物は……
アーテルである。
という訳で…リヒトはもちろん…。
「今回は…俺。
マジで怒ってるから…。無理。」
と超不機嫌そうに、鬼の形相で言った。
「あぁ…そうですね…。」
リリーは苦笑いしながら、以前…
精霊の始末をした日の事を思い出していた。

