リリーは丁度、話の区切りがついた時に、

笑顔でリヒトに声を掛ける。


「リヒト君ッ。テールさんッ。

 競技場へ行きますか?」


リリーの方を向いたリヒトも

笑顔を見せて返事する。

「あぁ。行くか。」

リヒトは振り返り、まだ反省している

カルロにも声を掛ける。

「カルロ。俺は、先行くぞ。

 時間や周りを見ないからって、

 授業に遅れるなよ。

 お前が来ないと…

 前の約束ができないだろ?」


カルロは顔を上げて、

リヒトに不思議そうに聞いた。

「約束ってなんだ?」


「まあ、約束。って言い方はおかしいか。

 前に言っただろ?

 火の属性……。そういえば、無理だな…。

 やっぱり水属性にする。

 どっちも変わらないよな?」

何でもないような顔で言うリヒトに対し、

カルロはかなり焦った様子で言った。