―精霊の祖の恋物語― 後編





カルロは、目を見張ってリヒトを見る。

「リヒト……。」


「何だ?」

「本当にあの超冷たいリヒトなのか…?」

目を細めて、様子を窺うように言うカルロ。


「お前…言っていい事と悪い事の区別が

 つかないのか?」

ギロッと鋭く睨んで言うリヒトの肩に

手を置いて、うんうんと頷きながら、

カルロは…

「やっぱり、リヒトはこうじゃないとな?

 相手するときに調子が狂う。」


眉間にシワを寄せて、

不機嫌そうにするリヒトは言った。

「あぁ、そうかよ。

 それじゃあ…これからお前の言葉は

 全て無視させてもらうよ。」


カルロはガバッとリヒトに頭を下げて謝る。

「すいませんでしたッ!!」