リヒトはゆっくり顔を上げる。
まだ、雰囲気は暗い感じだが
なんとか重症から軽症になったらしい。
能力の実技授業があると知った時の
リヒトの顔は、
かなり重症に思えるほどだった。
担任に大丈夫か?と心配されたほどだ。
一番後ろにいたとしても、
その顔色の悪さがわかるとなれば…。
何となくだが…。リヒトが今。
どういう状態なのか、予想はできるだろう。
「まあ……何とかなるだろ…。
もしもの場合は…
授業をボイコットするから、
大丈夫だ…。
一応、もう実技の単位は全て
取れているからな…。」
リリーの方を見て、
リヒトは笑みを浮かべて言った。

