「何でこの人、こんなに暗いオーラを

 放っているのかしらね。」

アウラはリヒトを指差して言う。


それに対してリリーは、

周りに聞こえない声で言った。

「リヒト君に… 困った事が……。

 問題が発生してしまったんです…。」


カルロが不思議そうにリリーの方を

向いて、聞いた。

「困った事って何だ?リリーさん。」


「えーと…。

 リヒト君が能力を使った時の事です。」


「それがどうかしたの?」


思いついた顔をしてカルロは言った。

「あっ、精霊力が強すぎるからかッ?」


カルロの言葉に頷くリリー。

「それもあるんですが…

 もうひとつ重大な問題が……。」


2人は、リリーを真剣な目で見て、

揃って呟く。

「「重大な…問題?」」