リヒトはカルロとの話が終わると、
アーテルの方を向く。
「アーテル。
この、土の塊って邪魔だよな?」
リヒトはその塊を示して言った。
「まあ…ね。
…でも、実験材料にはなるかな?」
考えるポーズをしてアーテルは言った。
「なるほどな。
俺のことを調べるつもりか。」
リヒトはアーテルを鋭く睨む。
リヒトとアーテルの間に緊張が走る。
リリーやアウラは黙って聞き、
カルロもゴクッと唾を飲み込む。
「出来ればの話だよ。君が嫌な場合は
諦めるといったところかな。」
「そうか。」
リヒトは睨むのをやめて緊張した空気も
少しは緩む。

