―精霊の祖の恋物語― 後編





「だッ駄目だッ!前だって死ぬほど

 酷い目にあったんだッ!!

 あれ以上は無理だ…。死ぬ…。」

カタカタとカルロは体を震わせる。


「前は水属性だったからだろ?

 今回は火属性でやるから安心しろ。」


「そういう問題じゃないッ!!

 俺が黒焦げになるッ。」

ブンブンと首を左右に振った。


「いや、加減はするよ。

 どうするかな…ミディアムぐらいで

 許すからいいだろ?」

ニッコリと笑みを浮かべて言うリヒト。


「あー。多少…うん。

 でも一応、中まで焼くってことだろ!?」


「しっかりと中まで焼いて欲しいなら、

 ウェルダンにするが?」

更に恐ろしいことをリヒトが言ったため、

首を左右に振りまくる。

「いや、ミディアムでいいぞッ!?

 そうしてくれッ。出来れば…

 焼かれないのが有り難いんだが…」

カルロは小さい声で遠慮がちに言った。