―精霊の祖の恋物語― 後編





アーテルは嬉しそうな顔をする。

なんか、周りが凄くキラキラと

輝いている気が……。


リヒトは顔を引き攣らせた。


「西南都市だな。移動だが…頑張ってくれ。

 あと……。」


「ん……?」


「この、どデカい平べったい物体は何だ?」


アーテルが指を指して言っているのは…

先ほどの精霊を倒す時、

精霊が生み出した竜巻を止めるために

リヒトがつくった、大きな物体。


「あぁ…これ?土だよ土。土の塊だ。」


「土か。」


「そうだ。

 地の精霊がよくつくるやつだ。」


「なるほど。よく考えたな。」

コクコクと頷きながら、アーテルは言う。

「まあ、竜巻を上から下へ叩き落とすって

 やり方もあるが、止めた。

 周りのビルや建物が崩壊しそうで。」