―精霊の祖の恋物語― 後編





機嫌がすごく悪そうにして、リヒトは言う。

「で、早く終わらせたいから。

 どこだよ、次。」

そんなリヒトの様子を間近で見ている

リリーは、苦笑いをしていた。



「かなり、怒ってるね…。」

まずそうな顔を浮かべてアーテルは言う。


「いいから早くしろ。帰るぞ。俺。」

リヒトはアーテルの方を今まで向いていたが、

バッと顔を逸らす。


「いやいやッ、待った。

 もう言うからッ。うん。場所ッ。」

そんなリヒトの様子にアーテルは焦って

言い止める。


リヒトはため息をつくと、

アーテルの方を向いて仕方なく聞く。

「で、どこだ…?」