―精霊の祖の恋物語― 後編





その妙なというか…

変な雰囲気の状態が続く中、

アーテルが口を開いた。

「それで、精霊がもう一体出たんだが…。

 行ってくれるな?リヒト。」


リヒトはアーテルの方を

笑みを浮かべて見た。

「えぇ。別にもういいですよ。

 もう夜が明けてますしね。

 眠いんですが…。やりましょうか。」


リヒトから少し黒いオーラを、

纏っている気がしてならないアーテルは

愛想笑いをする。

「うん。絶対、根に持ってるね。リヒト。」


やっぱり、かなり怒っていたリヒトは、

鋭い目でアーテルを見る。

「当たり前だろーが。

 誰がこんな仕事好き好んでやるかッ。」


「あー。そうだよねー。」