「子供って、俺はもう子供じゃないぞッ?」
笑うのをやめたリリーは話し始めた。
「知ってます。
でも、まだ子供っぽいところが
あるってことです。」
「そうなのか?」
眉間にシワを寄せて、リヒトは言う。
「そうです。…私は、リヒト君の
そういうところもいいと思ってます。」
ニッコリと満面笑顔でリリーは言った。
「ッ…それッ、今言うことかッ!?」
リヒトは頬を赤くしながら、
抱きしめていたリリーを
両手で離して、焦ったように言う。
一方のリリーは
微笑んで首を傾けながら言った。
「今言わないでいつ言うんですか?
リヒト君。」
「…はぁ。いいよ今で。」
ゆっくりと、リリーをまた抱きしめる。

