―精霊の祖の恋物語― 後編





「子供って、俺はもう子供じゃないぞッ?」


笑うのをやめたリリーは話し始めた。

「知ってます。

 でも、まだ子供っぽいところが

 あるってことです。」


「そうなのか?」

眉間にシワを寄せて、リヒトは言う。


「そうです。…私は、リヒト君の

 そういうところもいいと思ってます。」

ニッコリと満面笑顔でリリーは言った。


「ッ…それッ、今言うことかッ!?」

リヒトは頬を赤くしながら、

抱きしめていたリリーを

両手で離して、焦ったように言う。


一方のリリーは

微笑んで首を傾けながら言った。

「今言わないでいつ言うんですか?

 リヒト君。」


「…はぁ。いいよ今で。」

ゆっくりと、リリーをまた抱きしめる。