リリーにとっては少し強く感じたが、
そのことをリリーは言わなかった。
リヒトがかなり弱っていたから…。
「リリー。…俺は、倒すべきだったん
だろうか?あの精霊を…。」
リリーの首元に顔を埋めて聞くリヒト。
リリーの頬にはリヒトのサラサラした
綺麗な金髪が触れる。
「私は…リヒト君がこの世界を
守りたいのなら、この力を使って、
暴れる精霊を始末。
倒すべきだと思います。」
「そうか…。」
静かにリヒトがそう言った。
「そうです。」
ニッコリと微笑んでリリーは言う。
「でも俺にとって守りたいもの第一は、
リリーだけど。」
先程まで弱っていたはずのリヒトは
すっかりいつもの調子に戻る。
「…へッ!?」
不意打ちでそんなことを言われたリリーは
顔を赤面させて口をパクパクさせる。

