―精霊の祖の恋物語― 後編





すると……

風を起こしながら風の精霊は、

叫びながら、消えていった。


始末が終わると、リヒトは座り込んだ。


「リヒト君ッ!!」

リリーはリヒトの方へと駆けつける。


カルロとアウラは呆然と突っ立っていた。


リヒトは近づいてくる足音で

リリーが自分の方へ来たことが

分かったのか、顔を上げた。


顔を上げた時のリヒト顔は、

笑みを浮かべていた。

リリーから見て、その笑みは

無理につくってる笑みだとすぐに分かった。

「リヒト君。ここは、泣くべきです。

 精霊の言葉に躊躇もしましたよね?」


「あぁ…。そうだったな……。」

リヒトは悲しい笑みを浮かべる。