リヒトに向かってとても鋭く、

刃のような風を放つ。


風が届く前に、

リヒトも風を発生させ、放った。


精霊の放った風に命中すると…

激しい暴風を生み出しながら霧散した。


「…やっぱり…なんか…おかしい。」

リヒトが呟いているうちに…また、

今度は大きな竜巻を起こす風の精霊。


近くのビルや建物は、破損している。

木は根っこから抜けていた。


「まじかよ…。これは…ビル壊さない

 という方が無理だな…。」

リヒトは冷や汗を流しながら言った後、

大きな声で、アーテルに前もって謝る。

「悪いけど、ビル壊れるかもしれないッ!

 悪いッ!」

アーテルはリヒトの言葉に、

はぁ。と息を吐く。

「あぁ!分かったッ!

 思いっきりやってくれッ!」


リリーはリヒトを真剣な眼差しで見ている。


アウラとカルロは驚愕の表情で、

リヒトを見ていた。