アウラは、リリーの前に立ち塞がった。

「リリーちゃん。

 このままじゃ、シュテルネン…死ぬよ。」

鋭い目で見ながら、アウラは言った。


リリーはアウラの目を真っ直ぐ見て、

言い放つ。


「リヒト君は死にません。

 私が呪いをかけましたから。」


“呪い”という言葉にアウラは反応し、呟く。

「呪い…?」


そんなアウラの様子を見ても、

リリーは、はっきりと言いのける。

「はい、呪いです。」


「呪いって何だッ。リリーさんッ。」

カルロが動揺して、そうリリーに聞くと…。

リリーは目を瞑り、深く深呼吸をした。


アーテルはその様子を黙って見ている。


目を開いたリリーは、声を震わせながら言う。

「……私は…。私は…精霊の祖なんです。」