そんなリリーの頭の上に手を乗せて、

微笑みかけるリヒト。

「あぁ。…大丈夫だ。

 リリーは、俺が守るからな。」


「リヒト君ッ。」


「とりあえず、カルロやソッフィアータの

 ところにいろ。なっ?」


「分かりました…。」

リリーはリヒトに言われて

アーテル達の元へと向かった。


アウラは自分達の方に向かって歩いてくる

リリーの元へ走って行き、必死な顔で言う。

「リリーちゃんッ。アイツを止めてッ。

 リリーちゃんしかリヒトを止められる

 人はいないわッ。」

続いて、カルロが言った。

「リリーさんッ。

 リヒトを止めてやってくれッ!」

と言うが……

リリーは黙ったまま、リヒトを見ている。