アーテルは、アウラ、カルロと違い、 やはり冷静だ。 「彼は、大丈夫だ。 だって、精霊の祖が選んだ男だからね。」 「精霊の祖……?」 「まあ、見てなさい。 彼の今の能力をね。」 笑みを浮かべて、アーテルはそう言った。 リヒトは、突っ立ったまま動かずに 精霊を見つめていた。 「お前もやっぱ…操られてるのか……。」 リヒトは、顔を歪めて言う。 「リヒト君。一人でやるんですか?」 リヒトを心配そうに見ながら言うリリー。