―精霊の祖の恋物語― 後編





アーテルは、アウラ、カルロと違い、

やはり冷静だ。

「彼は、大丈夫だ。

 だって、精霊の祖が選んだ男だからね。」


「精霊の祖……?」


「まあ、見てなさい。

 彼の今の能力をね。」

笑みを浮かべて、アーテルはそう言った。



リヒトは、突っ立ったまま動かずに

精霊を見つめていた。


「お前もやっぱ…操られてるのか……。」

リヒトは、顔を歪めて言う。


「リヒト君。一人でやるんですか?」

リヒトを心配そうに見ながら言うリリー。