―精霊の祖の恋物語― 後編





「もう、言うしかないんじゃないかな。

 リヒト…。」

リヒトに真剣な目を向けて言うアーテル。


それに対し、リヒトはアーテルの方を見て

低い声で言った。

「お前…。本当に何を考えてる。

 俺達の仲を引き裂きたいのか…?

 それとも、家同士を…。」


「さっきも言っただろ?君のためだと…。

 それに…。」


アーテルは、振り返った。

リヒトたちも釣られて振り返る。


その瞬間、衝撃音。

ビルが崩壊する大きな音が聞こえ、

地響きする。