リリーが落ち着き、話せる状態になると、

まずは泣いた訳を聞いてみる。


リヒトには、大体予想がついていた。


自分が悪いという事が…



リリーはリヒトに抱き寄せられたまま、

話し出した。



「リヒト君の様子がいつもと違って

 怖かったです…。

 
 それに…嫌われたのかと思ったんです。」


リリーはまだ少しだけ、涙声だった。



「ごめん。ちょっと、ムカついて。

 クラスの男子野郎達にな…。


 一瞬、殺意が芽生えた…。


 まあ、そんなことはしないが…。」



またリヒトは、不機嫌になる。


リヒトの言葉に、

リリーはブルッと震えた。



「ッ……。なんでそんなに?

 男の人が、嫌いなんですか?」


首を傾けてリリーは言った。