「だろ?ならッ。俺達以外、

 誰も周りにはいないから、

 無理せずに泣け。…辛いんだろ?」

リヒトは先程と違い、

優しい声で言いながら、頭を撫でる。


「…リヒトッ。」

顔を上げてリヒトを見る。


「俺に構わず泣いてくれ…。

 お前が苦しそうにしてる顔を見ると、

 辛いんだ。俺も…。」


「……リヒト…。」

リリーは今にも泣きそうな顔で呟くと…。


リヒトの胸に顔を抑え、泣き始めた。


それを黙って見ながら、

リヒトはリリーの背中を優しく擦った。