―精霊の祖の恋物語― 後編





リリーもハッとなり、リヒトの目を

真っ直ぐ見て、心配そうに言う。

「リヒト。あの爆発に巻き込まれたりは

 しなかったかッ!?」


心配するリリーを見て、頭を撫でながら、

リリーに微笑みかける。

「大丈夫。ギリギリだったけどな…。

 何となく入ってみるとさ…

 嫌な予感したんだよな。」

言い終わると…

リヒトは目を細めてアパートを見た。


「……そうなのか。」

リリーもリヒトの話に、眉間に皺をつくる。


「…あぁ。…結構危なかった。」

そう言い、リヒトはアパートの中に

入った時のことを説明し始めた。