「何だ?リリー?」

後ろからリヒトの声がする。


バッとリリーは後ろを振り向くと、

リヒトが隊長に肩を貸して立っていた。


「えっ……。リヒト……。」

とリリーは呆然と立ち尽くして、呟いた。


その後……

リヒトの服に土埃が付いているにも関わらず、

リリーは涙を流し、思いっきり抱きついた。


「リヒトッ。……馬鹿者ッ!!」

多少…暴言を吐きつつも、

ガシッとリヒトの服を掴んで、抱き直す。


リヒトは空いている手で、

リリーの頭を撫でる。

「…ごめん。でもさ、こんな事になるとは

 誰だって予想つかないだろ?

 予知能力がない限りさ。」


「よくそんな呑気なこと言って

 おれるのッ!?

 我が…どれほど、心配ッ…したか…。

 分かっておるのかッ…!?」


リリーはまだ泣き続けながら、

リヒトに怒鳴る。


「心配してくれたのか?

 ありがとうな。リリー。」


リヒトは笑みを浮かべて、

リリーにお礼を言った。