―精霊の祖の恋物語― 後編





「黙っていろ。」

と多少、低い声で言った。


そして手を握る力が強い。




そんなリヒトの行動に、

リリーは少し恐怖を感じる。


手を引っ張られて、

誰もいない教室へ連れていかれる。


内側からリヒトは鍵を掛けた。


いつもと違うリヒトにリリーは、

逃げたいが、

手を握られて逃げられない。



何か酷いことを言ってしまったのかと…


リリーは考えても、

思い当たることはない。






!!!……一つあった。

この学園に来て迷惑をかけたことだ。


リヒトに嫌われたんじゃないかと

泣きたくなる。


リリーはしばらくじっとしていると…