―精霊の祖の恋物語― 後編





リリーの言葉を聞いたリヒトは、

嬉しそうに微笑む。

「それならよかった。

 一時、俺はアパートの中に入るからな。

 ちょっと、隊長さんが入ってったから。」

「…分かった…。……のう…リヒト。」

リリーは言い難そうにモジモジする。

「ん?」


「ありがとうの…。」

リヒトは目を見開いた。


少し時間が経つと…

リヒトは笑みを浮かべて言った。

「いいよ。

 リリーは、リリーのやりたいことを

 やればいい。今まで我慢した分な?

 俺ができるだけ力になるから、

 ちゃんと相談だけはしろよ?俺にな。

 じゃないと…力になりたくても

 力になれないからな。」


リリーはリヒトの言葉に

リヒトの方を向いて、コクンと頷いた。