「シュニー。すまないの。」
リリーは辛そうな顔をしながら、
シュニーに涙声で謝った。
シュニーという精霊は明るい声で言う。
“大丈夫ですから、ババッとシュッと
やっちゃってください。
リリー様はここで私を倒すんです。
そうしないと私が先にやっちゃいますよ?”
すると…今まで睨むだけだった精霊が、
いきなり、リリーに接近してきた。
かなり速い動きのように思える。
リリーはちょくちょくシュニーの
相手をしながら、下の様子を窺う。
アパートの前。
下にはもうSDM機関の能力者達は居なくて、
遠くからリリーの様子を見ていた。
そして…アパートの前には……
リヒトが上の様子を見上げていた。
リヒトはリリーの様子を確認すると、
アパートの壁に寄り掛かる。

