―精霊の祖の恋物語― 後編





「すみませんでした。」


リヒトは、頭を下げて謝る。



「頭は下げなくていいですっ。

 リヒト君、上げてください。」


リリーがそう言い、リヒトは頭を上げる。


「リリーは、普通の生徒に見えるから。

 大丈夫だ。」


言い終わると、

リヒトはリリーの頭を撫でた。


「でも…さっきなんか…見てきましたよ…?

 私の事……。


 やっぱり、似合ってないですかね…。」


リリーは、自分の格好を気にし始める。


「リリーってさ…無自覚か?」


リリーはきょとんとして、固まる。


暫くすると、動き出して言った。


「私は、無自覚ではないと思います。」


言い終わるとニッコリ可愛げに微笑んだ。