―精霊の祖の恋物語― 後編





「…分かった。

 アーテルには俺から言っとくから…

 リリーは自由にやってくれればいい。」

微笑みながら、

リヒトはリリーの頭を優しく撫でる。


リリーは安心し、嬉しそうな顔を見せて、

「リヒト君。ありがとう。」と、

笑顔でお礼を言う。


「あぁ。…もし、耐え切れなくなったら…

 無理するな。俺に言うんだぞ?」


リヒトの言葉に深く頷くと、

リリーは地の精霊の姿に変わる。


髪はブロンドで、瞳の色は朱色。


そして……

白とオレンジ、朱色の装束を纏っていた。


リリーがリヒトの方を向くと、

リヒトとリリーの目線が交わる。


すると…

リヒトは真剣な様子で頷く。


それに対してリリーも頷き返すと、

屋上へと向かった。