―精霊の祖の恋物語― 後編





「大丈夫か…?」

心配した顔でリヒトがリリーに聞くと……


「ちょっと…あれです…ね…。」


そう言い終えると、

リリーは涙を溜めた顔でリヒトを見た。


「リリー…。こっち来い。」


リヒトが両手を広げてそう言うと…


リリーはコクンと頷いて、思い切り、

リヒトの胸に飛び込んで泣き始めた。


リヒトは黙って、リリーの背中を擦った。