リリーは、驚愕の表情で屋上にいる精霊を
見ていた。
「シュニー?」
リリーの言葉に皆が一斉にリリーを見た。
その様子に気づきもせず…リリーは、
まだ、上にいる精霊を見上げている。
リヒトはリリーに声をかけた。
「リリー?」
リリーはハッとなると……リヒトの顔を見る。
そして…俯いて、涙声で静かに言った。
「私…あの精霊を…
…シュニーを…知ってます。」
それを聞いた人達はリリーを再度見る。
リヒトは、驚いた様子で言う。
「そうなのか…?」
「…はい。とても元気な優しい子だったんです。」
微笑みながらリリーが言うのを見て
リヒトは胸が痛む。
自分にできることはないのだろうか─?と…

