―精霊の祖の恋物語― 後編





リリーは、驚愕の表情で屋上にいる精霊を

見ていた。


「シュニー?」

リリーの言葉に皆が一斉にリリーを見た。


その様子に気づきもせず…リリーは、

まだ、上にいる精霊を見上げている。


リヒトはリリーに声をかけた。

「リリー?」


リリーはハッとなると……リヒトの顔を見る。


そして…俯いて、涙声で静かに言った。


「私…あの精霊を…

 …シュニーを…知ってます。」


それを聞いた人達はリリーを再度見る。


リヒトは、驚いた様子で言う。

「そうなのか…?」


「…はい。とても元気な優しい子だったんです。」

微笑みながらリリーが言うのを見て

リヒトは胸が痛む。


自分にできることはないのだろうか─?と…