―精霊の祖の恋物語― 後編





ふふふっと笑うと女の人は言う。

「貴方達、本当に…面白いわね。

 似合ってるわよ?」


リリーとリヒトは、

顔を真っ赤にして離れた。


リリーはブツブツと一人呟いて、俯いている。

リヒトは片手で頭を抱えている。


「ふふふッ。離れなくてもいいのにッ。」

女の人が面白そうに言った。


リヒトは、バッと顔を上げて女の人を見る。

「それで…隊長が来ているって言うのは…。」


「んー。あそこにいるわよ。」

呆れた顔で言いながら、

女の人は後方にある物陰にいる誰かを指差す。