―精霊の祖の恋物語― 後編





「隊長ッ!精霊が私達の存在に

 気づいたみたいですッ!!」

と、女の人は切羽詰まった声で言った。


隊長と呼ばれている男は、

その言葉を聞き、焦った顔で指示を出す。


「早く逃げろッ。君達もだッ。」

と、リヒト達にも言うが……。

…リヒト達は動こうとしない。


「何をやってるッ!?」

と怒鳴ると……。リヒトが口を開いた。

「大丈夫です。きっと。」


そう言い終えると、

リヒトの瞳の色が青色に変わる。


_その瞬間ッ……。

リヒトの周りに吹雪が吹き荒れる。

気がついた時には…周りが雪景色状態…。


その雪景色をつくるために使われた

精霊力はかなり強力だった…。


能力者の全員は、それをつくった人物を

驚愕の表情で見ていた。