―精霊の祖の恋物語― 後編





「リヒト君ッ…。

 まさか、一人でやるんですか!?」

リリーは悲痛な顔をしながら、

大きな声で言った。


リリーの言葉を聞いていた能力者たちは、

驚いた顔でリヒトを見ていた。


…そんな中でも話は続いている。


「…リリーが、苦しむところは

 もう見たくない。」


「でもッ。リヒト君が怪我したら…。

 私…。」

リリーは目に涙を溜めて、首を振った。


「それでも、行かせてくれ。

 必死に止めないという事は…

 勝ち目はあるということか?」


「リヒト君ッ!!」


リリーの頭にポンと手を乗せて、

撫で撫ですると……。


「もし怪我をした時は、

 リリーが治してくれ。なっ?」


「…リヒト君……。」

そんな話をしていた時だった……。