「リヒト君ッ…。
まさか、一人でやるんですか!?」
リリーは悲痛な顔をしながら、
大きな声で言った。
リリーの言葉を聞いていた能力者たちは、
驚いた顔でリヒトを見ていた。
…そんな中でも話は続いている。
「…リリーが、苦しむところは
もう見たくない。」
「でもッ。リヒト君が怪我したら…。
私…。」
リリーは目に涙を溜めて、首を振った。
「それでも、行かせてくれ。
必死に止めないという事は…
勝ち目はあるということか?」
「リヒト君ッ!!」
リリーの頭にポンと手を乗せて、
撫で撫ですると……。
「もし怪我をした時は、
リリーが治してくれ。なっ?」
「…リヒト君……。」
そんな話をしていた時だった……。

