―精霊の祖の恋物語― 後編





リヒトとリリーの様子を見ていた能力者。

隊長と呼ばれる男の人が、口を開く。


「これで分かっただろ?

 君達が出来ることは何もない。

 だから、ここは私達に任せろ。」


「そうよ。君は早く家に帰りなさい。

 まだ学生でしょう?」

女の人も帰るよう説得してきた。


「まあ、そうですけど……。

 これだけ荒らされてるのを知ったら、

 帰ることはできません。

 ……リリー。」

リヒトは真剣な顔をして、

リリーに話しかけた。


「…どうしたんですか?リヒト君…。」

その様子を不思議に思いながら、

返事をするリリー。