―精霊の祖の恋物語― 後編





ギャーギャーと呻き、叫んで暴れていた。


次々に炎の攻撃を辺りに…ばら撒く。


リヒトにはこの精霊が

“暴れたくて暴れているわけではない”と…

叫んでいるように感じた。


確かに…“無理やり”動かされてるように、

今のリヒトには感じた。


リヒトは、ふと…リリーを見た。

リリーは手を小刻みに震わせている。

そのため、リヒトはリリーの手を

優しく握った。


それにビクッとするが…

リリーもリヒトの手を握り返した。



いつの間にか……

リリーの手の震えが収まっていた。