―精霊の祖の恋物語― 後編





すると……さっきの女の人が

かなり驚いた様子で隊長と呼ばれる男を

見て、口出しをする。


「何言っているんですか!?隊長ッ。

 無理ですッ。」


「まあ、危険だということが分かれば、

 帰るだろう。」


「そうですが……。」

しぶしぶ納得した女の人は、黙りこんだ。


「火の精霊だ。

 あっちにいるが…どうするんだい?」


「とりあえず、火を消します。」


「じゃあ、それは私達がやりましょう。」

隊長と呼ばれる男はリヒトの言葉に対して、

提案を持ちかけた。


「では…お願いします。」


それに対し、リヒトがお願いすると……。

数人が前に出て水属性の能力を使い、

火を消した。


そして……

現れたのは、炎や邪念のようなものを

纏った精霊だった。