後ろを振り向くと、能力者。

今度はSDM機関の制服を着た、

女の人がいた。


リヒトはその女の人に話しかける。

「あの。この人、頭を怪我しているので、

 安全な場所に連れて行って、

 手当をしてあげてください。」


リヒトの言葉に、

男の人と女の人が目を見開いていた。


「君こそ…逃げろッ。

 君は能力者では…ないだろッ?

 …その女の子を連れてッ。」


「そう、今はとにかく危険ですから…

 この場から逃げてくださいッ。」


そう能力者の二人は、リヒト達に言った。


「大丈夫です。俺も能力者です。

 代表に言われて、

 暴れた精霊を始末するために、

 ここに来たんです。」


「君が……!?」

女の人は、かなり驚いたようにそう言い、

一方…男の人は更に目を見開いた。