現場に着くと……

辺りは火の海と化していた。


近くに倒れていたSDMの制服を着た、

能力者に話を聞こうと近づく。


その男の人は、頭から血を流していた。


「大丈夫ですかッ!?」


と、リヒトが声を掛けると……。


閉じていた瞼を薄っすらと開け、

ゆっくりと口を開き、喋り出した。


「早く…ここから…逃げろ。」


「貴方も逃げてくださいッ。」


リヒトがそう言うと、その男の人は…

「駄目だ…。仕事だからな…。」

と、小さい声で言った。


リヒトは、

男の人をどうしようか考えていると…


後ろから女の人の声が聞こえた。


「君ッ。こんな所にいては危ないから。

 ここから逃げなさいッ。」