―精霊の祖の恋物語― 後編





リリーの言葉にリヒトは目を見開いて、

リリーを見た。


そして……

リリーにはもう苦しい思いは…

させたくないと、

行かなくていいと言い聞かせるリヒト。

「でも、精霊なんだぞ?相手はッ…。

 だから…行かなくてもいいッ。」


そんなリヒトの目をまっすぐ見て、

リリーは、宣言する。

「リヒト君が行くなら、私も行きます!」

「…リリー。」


ニッコリと笑みを浮かべてリリーは言った。

「いいですよね。

 私はいいと言っています。」


リリーの強い意志に負け、リヒトは頷いた。

「分かった…。」


アーテルはかなり嬉しそうにお礼を言う。

「助かるッ。ありがとうッ。感謝するッ。」


そんなアーテルに、多少呆れながらも、

質問するリヒト。

「それで…場所は?」


「えっと…確か中心都市に3体。

 西南都市に2体。北東都市に2体。

 計7体。」