「今も精霊達はいろんな場所で数人程、
暴れている。」
アーテルは、少し…言い難そうだ。
恐る恐る…先程浮かんだことを聞いてみる。
「だから…それを、倒してくれと?」
アーテルはすごく満面の笑みで
リヒトを見た。
……正解だったらしい。
「そうなんだ。お願いだ。
今の私達じゃ、
被害を最小限に抑えることしか出来ない。
それに、
能力者の怪我人が増えているんだ。」
かなり必死に話しているアーテルの様子で
状況が芳しくないということが、
伝わってくる…。
「はぁ。…分かりました。」
リヒトは、リリーが精霊を駆除する度に、
苦しい思いをすることを知っているため、
こう最後に言葉を付け足した。
「でも……
リリーを参加させるのは無理です。」
リヒトが気遣ってくれたということを
理解しつつも、リリーはこう言った。
「いえッ。私も行きますッ。」

