それからあたしは学校をやめた。
家にももう帰れなかったし
信用できる友達もいなくて
遠いところへいきたくなった。
「ありがとう……。直」
「え?」
「直がいたから、あたしはまだ笑えるんだってことに気付いた」
きっと直がいなかったら
あたしはまだ、何もできずにフラフラ歩いているだけだった。
「直、あたしもう少し生きてみようと思う」
「うん。そうして。もし俺が明日いなくても未央のこと、この空の上から見守ってるから」
そのとき見上げた空は
澄み切った青のなかに真っ白な雲が浮かんでいて
声がでないほど綺麗で
どこまでも続いていた。



